2010年05月18日

住宅ローンにおいて金利と同じくらい大切な意味を持つ返済期間

住宅ローンにおいて金利と同じくらい大切な意味を持つ返済期間


先日の記事において、住宅ローンにおいては、現状では、金利は高いものの、固定金利の住宅ローンを選んだほうが良いことを書いた。

【参考記事】住宅ローンの固定金利と変動金利、どちらを選ぶのが正解か?


このように金利にこだわることは重要なことであるが、同じくらい重要なことが他にもある。


金利も大切だけど返済期間ももっと大切

それは返済期間についてである。
住宅ローンを考えるときには月々の負担額(支払額)ばかりに目が行きがちであるが、住宅ローンの返済期間をしっかりと比較検討することで、金利にこだわること以上のメリットを得られる可能性があることもぜひ考えておきたい。

具体的に言うと、返済期間にこだわることで住宅ローンの返済総額(支払利息)が大幅に減る可能性があるということである。
具体的に計算をしてみながら考えてみたい。


住宅ローンの支払い期間を10年変えるだけで、車3台分節約できる!?

具体的に計算例を見ながら考えてみたい。
下記の数字は、全期間固定金利の住宅ローンで3,000万円を3.0%の金利で借りたと仮定し(ボーナス払いなしの毎月均等払い、経費等含まず)、返済期間のみを変えた毎月の返済額と総支払額(支払利息)を計算したものである。

10年…毎月の返済額 289,682円、総支払額 34,761,798円 (内支払利息 14,761,798円)
15年…毎月の返済額 207,174円、総支払額 37,291,320円 (内支払利息 17,291,320円)
20年…毎月の返済額 166,379円、総支払額 39,930,888円 (内支払利息 19,930,888円)
25年…毎月の返済額 142,263円、総支払額 42,678,858円 (内支払利息 12,678,858円)
30年…毎月の返済額 126,481円、総支払額 45,533,001円 (内支払利息 15,533,001円)
35年…毎月の返済額 115,455円、総支払額 48,490,768円 (内支払利息 18,490,768円)

金利は3.0%で全く変わっていないのに、返済期間を変えるだけで大きく総支払額や、特に支払利息が変わっているのに注目いただきたい。

住宅ローンで多くの人が選択する支払期間は35年かもしれないが、これを例えば10年短くして25年にするだけで、上記の例では580万円以上支払う利息を減らせることになる。
毎月の支払額は、26,808円ほど増えるが、これぐらいの増加分であれば節約することで、「何とかなるかもしれない」と思える額かもしれない。
このように住宅ローンを組む場合は、金利にこだわるだけではなく、返済期間にもこだわる必要がある。

こういったことから、住宅ローンを組む時には、返済期間を変えたパターンについてもいろいろと試算し、支払いが十分可能な範囲内で、返済期間を短く工夫することで、大きく支払利息を減らすことができるかもしれないことをわかっていただけたと思う。


節約できたお金は老後の生活に向けて蓄えていく

住宅ローンが長期間になればなるほど、老後の資金を貯める期間がどんどんと短くなっていく。住宅ローンは終了したものの、老後の生活資金がなかったということでは、本当に笑えないことになってしまう。そのようにならないためにも、節約できた利息分については、老後に使うお金としてためておく必要がある。このようにすることで、
老後お金を心配する必要を減らすことにもつながるだろう。


期間はできるだけ短くするが、余裕を持って支払える額の範囲内に止めておくことは重要

このように、住宅ローンの返済期間を短くすることの効果を述べてきたが、短くすればするほど、月々の負担は増えてしまう。毎月の負担を上げ過ぎて支払いができなくなることは、本末転倒である。よく検討し、無理をすることなく、十分支払える額の範囲内に止めておくことは重要だ。

そのようなことを考えると、自分の年収に対して高めの住宅ローンを組むことは、家計リスク上高いリスクがあると言えるし、支払利息などの面で無駄が多いことも感じていただけると思う。
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2010年05月06日

住宅ローンを組む前に考えておく必要のあること


住宅ローンを組む前に考えておく必要のあること



今、住宅ローンを組もうと考えている人たちの多くは、年代にして30歳から40歳代であろう。
そのようなことから想像して、その両親の世代はというと、50歳から70歳代ということになる。もちろんその両親の世代(50歳から70歳代)の多くは持ち家であると思うが、果たしてその子供たちの世代も家を買う必要があるのか。そんな疑問をもたれることもあると思う。

時代が大きく変化している中で、住宅ローンという本当に大きな借金をしてまで家を持つことに意味があるのか考えてみたいと思う。

考える上でのポイントは、
@地価の動向
A仕事(働き方)と給料
B老後の生活

である。順番に見てみたい。

まず、@地価の動向ついて考えてみたい。


バブルのような好況が日本に再び起こらない限り、地価は上昇しない。

今家を買おうとしている人の親世代である、50歳から70歳代の人々は、先程も触れたとおり持ち家の割合が圧倒的に高い。
これらの世代(50歳から70歳代)にとって家を買うこととは、一国一条の主と言われるように家が欲しかった、または家持つことが夢であったという理由もあったと思うが、それだけではない。

家が立派な資産になったからだ。つまり、住宅ローンの金利を払いながら家を買っても、家の資産価値が値上がりするので、十分良い資産運用になったからである。

しかし、今もなお不動産は資産であるものの、莫大な住宅ローンの金利を払ってまで、もつ必要がある資産なのかははなはだ疑問がある。

というのも、不動産の価格は上昇しそうにないからである。
2010年3月18日に発表された地価公示(国土交通省が毎年公表している。1月1日時点の全国の土地価格、ちなみに相続税の基準となる路線価は、概ねこの公示地価の8割の水準になっている)を見ると、2年連続で下落している。

落ち込みの激しいのは商業地で景気悪化の影響を色濃く反映している。
反面、住宅地の下落の幅はそれほど大きくないものの、これは住宅ローン減税の効果で下支えされている部分もあるため、住宅ローン減税が終わったとはどうなるのかわからない面もある。

長期で見た場合、それよりも、さらに大きな地価の下落要因は日本の人口減の問題であると思う。

これからの10年で日本の生産年齢人口(15歳から64歳の人口)はおよそ760万人減ると予測されている。この人口減の割合だけ、住宅はもちろん、オフィスや商業地の需要も減ることになる。
いまでこそ東京都の人口は一極集中の影響で増えているものの、この東京の人口でさえ今から10年くらいすると減ってくるだろう。

そういった形で、住宅はもちろん商業地やオフィスまで含めて、土地の需要全体が減ってくることとなる。

しかし、それとは逆に住宅の供給は増える方向にあると予測される。
なぜかというと、持ち家を多くの割合で持っている世代(団塊の世代を中心とした50歳代から80歳代の世代)は、10年、20年、30年と過ぎるにしたがって寿命を迎え減っていくからだ。

その子供も一人っ子か二人兄弟が大半であるから相続を受けるときに、その家が必要でない可能性も高い。その場合は当然のことながら、市場に売り出されることになるだろう。このような形で、住宅の供給も増えるだろう。

このように住宅の需要と供給のバランスが崩れることで不動産の価格はじわりじわりとであるが下落していく。
これがこれからの不動産の価格の普通の考えであると思う。


次に、A仕事(働き方)と給料について考えてみたい。

「終身雇用」と「給料のベースアップ」といった昔の常識は今は通用しない。

約30年以上も続くであろう住宅ローンを払っていく。
このようなことは、昔の日本で「終身雇用」と「給料のベースアップ」が常識であったからこそ安心して行えたことだ。

現在であっても、住宅ローンを試算するときにおいて給料のベースアップを1〜数%ほど見込んで計算するが、そのようなことが期待できるような時代ではない。

逆に予期せぬリストラや転職などにより給料が大幅に減ることもある時代である。
会社や自分の仕事が、明日も来年も10年後もある保証もない。

「給料が上がる」「仕事をずっと続けられる」そんな甘い前提で30年以上続く借金(住宅ローン)を組んでしまった場合、あとで痛い目に遭うかもしれないことを考えておく必要がある。

実際、景気の悪化と雇用環境の変化で、住宅ローンの返済ができなくなった人は確実に増えている。
競売のすべての人がそのような理由とは限らないが、東京地裁の競売件数を見ても、2009年では3,000件弱の物件が競売にかけられている。
その2年前の2007年では約1,500件ほどであったから2倍近く競売にかけられていることになる。
普通、多くの場合では、競売にかけられる前に家を不動産屋などに任意売却をしているであろうから、もっと多くの人が住宅ローンを返済できなくなり家を手放している現状があるだろうと予測される。

もちろん、この経済状況であるから、手放す時は買ったときの値段ではもちろん売れず、叩き売ることになる。その結果、家を失ったのに住宅ローンの負債の一部が残ることになる。泣き面に蜂とはこのことである。

今のままの経済の状況雇用の状況が続いていくと、住宅ローンが支払えなくなる人、家を競売にかけられる人、家を任意売却で手放す人がどんどん増えてくる。売りに出される物件はどんどん増え、不動産価格が下がる要因となる。
そのような負のスパイラルが続いていくことになる。

このような状況の中で、何となく今の仕事が続く、今の給料が上がるという妄想で住宅ローンは組んではいけない、そう考えることに大きなリスクがあることがわかる。

逆に、仕事はずっとないかもしれない給料は下がるかもしれない。そのような前提で住宅ローンを考える必要がある。


最後に三つめのポイントであるB老後の生活について考えてみようと思う。


今買おうとしている家は、あなたの終のすみかではない可能性が高い。

昔の日本人は、大家族が中心で子が親の面倒を死ぬまで見ていた。従って、家とは、生まれてから死ぬまでの場所であったと言える。

しかし、現在では核家族化が進んだことにより大きく変化してしまった。
というのも家は買ってから死ぬまでの場所、「終のすみか」ではなくなっているということだ。

つまり、核家族化によって、老後体が不自由になった場合など身近で介護してくれる子供などが家にいない場合が多くなったため、自宅を手放し、老人ホームや高齢者向け住宅へ移る可能性も大いにあるということだ。
家を買うときには、そのような形で老後家を手放すかもしれない、一生住まないかもしれないといった前提で、考えておく必要があるだろう。

逆に、介護などはネガティブな要素ではなく、ポジティブな理由も人によってはあるかもしれない。
最近の都会のサラリーマンは、老後には田舎で農業などをしてゆっくり過ごしたいという人が増えているらしい。
そのようなポジティブな理由でも今から買おうとしている家に一生を住まない可能性もある。

このような家族の老後の生きかたや、死にかたも住宅ローンを組む前に考えておく必要があると思う。

三つのポイント(@地価の動向、A仕事(働き方)と給料、B老後の生活)をもとに住宅ローンを組む前に考えておくべきことを考えてみた。

家を買うことは、それ自体夢があるし、それで何らかの精神的な安心も得られるかもしれない。
しかし今の経済・社会・雇用の情勢は、住宅ローンという長期間にわたって続く借金のリスク簡単に背負えるほど甘い情勢ではないようだ。
それが現状である。

家を買うために住宅ローンを組むとしても、こういった事を踏まえているか踏まえていないかで、賢い選択(堅実な選択)が取れると思う。

もっと具体的に言うならば、住宅ローンは理想は借りないことだが、そんなことは一般の人間にとって不可能だ。

住宅ローンは借りないことはできないにせよ、できるだけ借りる額を少なくする必要がある。
そして、買う家についても一生住む前提で買うのではなく、数十年後に売却した場合、どれぐらいの資産価値があるか、その売却価値にも注意して、購入を考えたい。
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住宅ローンの固定金利と変動金利、どちらを選ぶのが正解か?


住宅ローンの固定金利と変動金利、どちらを選ぶのが正解か?


住宅ローンの金利について考える前に、そもそも住宅ローンを借りる前に考えておきたいことについて下記にまとめているので、こちらもご参照いただきたい。

【参考記事】住宅ローンを組む前に考えておく必要のあること

これから住宅ローンを組もうと考えている人にとって、固定金利で住宅ローンを組むか、変動金利で住宅ローンを組むかについて大きく悩んでいる人も多いだろうと思う。

金利が低位で推移していることもあるので、現在は圧倒的に変動金利を選ぶ人が多いようだ。
この変動金利の金利水準は、現在1%台前半であり、長期にわたる住宅ローンにおいては有利なようにも思える。

果たして変動金利の住宅ローンのほうがよいのだろうか。
住宅ローンにおける変動金利、固定金利(全期間固定金利、固定金利期間選択型)のそれぞれについて考えてみたい。

固定金利については2種類ある。

主な住宅ローンの金利種類については、変動金利と固定金利に分かれるが、固定金利はさらに2種類、全期間固定金利と固定金利期間選択型に分けられる。

全期間固定金利はご想像のとおり返済中ずっと金利が変わらないタイプであるが、固定金利期間選択型は一定期間(5年や10年などの期間)は、固定金利でその一定期間が終了した後は、改めて金利の種類で選択する方法である。
一定期間は固定金利であるものの、一定期間が終わった後は、固定金利・変動金利のどちらを選らぼうが、その時の金利に大きく左右されるため、固定金利に近いものというより、変動金利に近いものとして考えたほうが正しいかもしれない。


変動金利の住宅ローンは、低金利で魅力はあるが、大きなリスクも抱えている。

通常、30年から35年の長期にわたって返済を続ける住宅ローンの場合、金利が1%違うだけでも返済総額は大きく変わる。
もちろん返済総額が少なくなればなるほど月々の負担も減り、その分生活に余裕が出る。
不動産屋や銀行の試算した月々の支払い金額を見て、全期間固定金利の場合とくらべて1%以上安い変動金利型、もしくは固定金利期間選択型の住宅ローンを選ぶ人も多いだろう。

しかし、この2つの住宅ローン(変動金利、固定金利期間選択型)の場合、リスクは考えている以上に高いと私は思う。


可能性は低くない!? 日本の金利上昇リスク

そう思う一番の理由は金利上昇リスクだ。

日本は大のつくぐらいの借金大国だ。
先日、ヨーロッパでも一つの借金国が破綻した。そうギリシャである。
破綻したギリシャはどうなったかというと、国債の格付は大きく下げられ、その反動で長期金利が急騰した。
日本の財政がもし万が一破綻した場合、この金利上昇が同じように日本でも起こるだろう。

もし日本で金利上昇が起こった場合、変動金利の住宅ローンを借りていたとすると何が起こるかを考えていただきたい。考えるまでもないかもしれない。

変動金利型の住宅ローンの場合、半年ごとに金利や見直される。
日本が、万が一破綻して金利が急騰した場合、その住宅ローンの見直しのタイミングと同時に、毎月の住宅ローンの支払い額が大きく跳ね上がる。
このはね上がり方が大きければ大きいほど、もしくは金利上昇の期間が長ければ長いほど、住宅ローンを返せなくなり、家の売却するしか方法がなくなるだろう。

しかし、そのような日本の緊急事態にすぐ家の買い手がつくはずもない。なぜなら、同じような境遇の人がたくさん現れるからだ。やっと買い手が現れ売却できたとしても、住宅ローンの残額まだ届かず泣く泣く叩き売ることになる。そうやって家を失っても、住宅ローンの一部が残る。

これを想像していると、ちょっと前にみたニュースの光景を思い出す人も多いのではないだろうか?

そうだ!
これはサブプライム問題で大打撃を受けたアメリカの光景であり、その影響をもろに受けたアイスランド光景でもある。
これらの国では多くの弱者が自分の大切な家を失う結果となった。今もなお、爪あとは深く残っている。

これはあくまでも最悪の場合のイメージであり、こうなるという確信はないものの、日本が今のまま借金をふやすことをやめない限り、このリスクは消えない、むしろ増え続けるであろう。


現在の日本の現状とリスクを考える限り固定金利のほうが安心

こういったことから、変動金利と固定金利どちらがいいかという問いに対しては、30年や35年の長期の住宅ローンを借りる場合は固定金利のほうが良いと思う。

しかし、住宅ローンを借りようと考えている期間の間、日本がおかしくならないと自信がある場合はその期間変動金利でも構わないと思う。しかし、少しでも金利上昇リスク・日本のデフォルトリスク(破綻リスク)が怖いと思ったら全期間固定金利を選択するのが得策だ。しかし注意がある。


固定金利期間選択型の住宅ローンは、固定金利の住宅ローンに分類されるが、変動金利型とリスクはそれほど変わらない。

上記で金利上昇リスクに備えて固定金利型の住宅ローンをに入るべきと書いたが、それは全期間固定金利型の住宅ローンのことであり、固定金利期間選択型の住宅ローンのことではない。
固定金利期間選択型の住宅ローンの場合、前半の5年や10年を固定金利とするが、30年や35年の長期の住宅ローンで前半5年や10年を固定しても5年や10年後以降に金利がはね上がってしまえば、変動金利型と変わりはない。

日本の今のままの財政状況が続くとするならば、国家破綻リスクも5年、10年、15年と時間がたてばたつほどリスクは高まるだろう。
そういった考えでみると、変動金利型の住宅ローンも固定金利期間選択型の住宅ローンもリスクはほとんど変わらないように思う。
今のまま日本の財政状況が変わらないとするならば、返済総額が高くなっても全期間固定金利の住宅ローンを選ぶべきだ。


固定金利の住宅ローンの代表格は「フラット35」

全期間固定金利の住宅ローンの代表としては、住宅金融支援機構と民間金融機関が、提携して提供しているフラット35などがある。
現在、フラット35では、金利優遇措置などもあり、利用できる環境にある人は利用を検討してみるのが良いと思う。
フラット35の詳細については別の機会に考えてみたいと思う。
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